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マスターチャンバー MCシリーズ

MCシリーズ

マスターチャンバーは、マスター比較方式において、経年的なシールの劣化や多品種ワークへの対応が難しいなどという問題を解決する為に考案された、標準マスターです。

特長と機能



マスターの役割

ワークにテスト圧を印加すると断熱変化により急激なエアー温度上昇が生じます。この温度変化が微小な漏れ測定の誤差要因となります。差圧式リークテスターではワークの温度変化による圧力変化をマスターが相殺し誤差をなくします。

マスターチャンバーの原理・構造

マスターチャンバーはフィンの枚数や間隔で容積と表面積の比率を変えることでワークの温度特性に合わせることができます。下図のマスターチャンバーAとBは表面積が異なるために温度安定に差が生じ検出工程での圧力変化特性に差が生じます。

マスターチャンバー使用のメリット

●ワークの熱変化特性に合わせた調整が可能
●小型で設置場所を広く取らない。
●ワークを利用してマスターを作る場合に比べコストダウンがはかれる
●オーリングによる確実なシールなので気密性に優れ長期間安心して使用できる
●容積変化がなく再現性に優れた測定が可能
●マスタリングと併用すれば多種ワークでも共通のマスターチャンバーが使用できるのでマスターの切り替えは不要になる

マスタリングを併用したときのマスターの役割

時間短縮を図る目的で開発されたマスタリングは断熱変化により生じる差圧誤差をあらかじめ計測し補正する機能です。この機能を使用すれば多くの場合マスターで差圧誤差を調整する必要がなくなります。

マスターは温度安定と再現性が重要

マスタリングでは比較基準となるマスターの再現性が測定精度を上げるために重要です。通常、規定のフィンを内蔵したマスターチャンバーはワークをマスターとして使用するよりも再現性は高くなるため測定のバラツキも小さくなります。

マスタリングとマスターチャンバー併用のメリット

●時間短縮、精度アップ
●立ち上げ時やメンテナンス時の調整工数が低減
●多種ワーク対応が可能、マスターの切り替え不要
 内容積の異なるワークでも共通のマスターチャンバーが使用できます。

マスタリング使用時のマスターチャンバーの選定

●ワーク容積が大きいとき

ワークの容積にかかわらず小容積の専用マスターチャンバーMC-F02Aが使用できます。ただし大幅に時間を短縮したときはマスタリング値が大きくなり過ぎる場合があります。このときはMC-500B/1000Bなどを使用して一定量のドリフトを相殺し適正範囲のマスタリング値にします。

●マスターの容積をゼロにしない

マスターポートを閉じて容積を極端に小さくしたとき、多少の感度低下が生じます。これはワークの等価内容積が増加するためでテスト圧が高くなるほど影響が大きくなります※。要求する最小検知漏れ量にもよりますがマスターは適切な容積をもたせることが必要です。
※コスモ計算シート「等価内容積計算式」を参照

●ワーク容積が小さいとき

必ずしもマスターチャンバーを必要としません。金属配管や樹脂チューブのみで先端を封止して使用することができます。ただし樹脂チューブは圧力により僅かな容積変化が発生します。全体容積が小さいほどその影響は大きくなるため小容積のマスターはできるかぎり変形のない材質で短く細いチューブを使用します。ワークに対しても容積に応じ流量不足のない太さの硬質チューブを使用します。

●テスト圧が高圧のとき

マスターが短時間でエアーの加圧と排気を繰り返すことで徐々に蓄熱する場合があります。このようなときはマスターとして温度安定のよい銅パイプを使用することが効果的です。ただし風などで外気温の影響を受けないように注意が必要です。

マスターチャンバーの種類
型式 内容積調整範囲 最大使用圧力
MC-F02A(100C)1 約56mL 800kPa
MC-F02A(200C)1 約109mL 800kPa
MC-50B 25~50mL 800kPa
MC-100B 50~100mL 800kPa
MC-200B 100~200mL 800kPa
MC-500B 231~500mL 800kPa
MC-1000B 527~1000mL 800kPa
MC-2000B 986~2000mL 800kPa

※1) マスタリング専用です。フィンによる調整はできません。

マスターの設置場所

●マスターはモーターの振動や熱、出入り口ドア付近やエアコンなどの風の影響を受けない場所に設置します。
 影響を軽減させるために囲いを設置することも効果があります。
●床の近くは気温変化が激しい場合があります。なるべく温度変化の少ない場所に設置します。
●取付台の温度変化が大きいときは断熱材を敷き直接熱が伝わらないようにします。


仕様



マスターチャンバーの種類

型式 内容積調整範囲 最大使用圧力
MC-F02A(100C)1 約56mL 800kPa
MC-F02A(200C)1 約109mL 800kPa
MC-50B 25~50mL 800kPa
MC-100B 50~100mL 800kPa
MC-200B 100~200mL 800kPa
MC-500B 231~500mL 800kPa
MC-1000B 527~1000mL 800kPa
MC-2000B 986~2000mL 800kPa

※1) マスタリング専用です。フィンによる調整はできません。

外観図